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研究紹介

カーボンニュートラルの実現には,インバータをはじめとしたパワーエレクトロニクス(パワエレ)回路の普及拡大が必要不可欠です。パワエレは送配電設備や鉄道,ハイブリッド電気自動車などのインフラを支える根幹技術であり, 今後も年率10%程度の市場拡大が予想され,膨大な数の機器が世界中で使用されることが見込まれています。 パワエレ回路の故障はインフラの麻痺を引き起こすことになるため,従来とは桁違いの高い信頼性が要求されるようになっています。
当研究室では,パワーエレクトロニクスを軸とした高効率・高信頼な電気エネルギー変換技術の研究を行っています。 キャパシタ(コンデンサ)などの受動部品やパワー半導体などの部品レベルから回路システムレベルまでを網羅した大電力・高電圧パワーエレクトロニクス回路の信頼性向上を目指した研究を行っています。

鉄道・自動車・産業用モータ駆動インバータの劣化診断技術

  MG set  モータ(電動機)駆動用インバータは鉄道車両,電気自動車,産業用など多くの分野で使用されており,モータの高効率駆動に寄与しています。 このような用途インバータは数年から数10年単位の長時間使用されるため,状態保全か必要とされています。 当研究室ではモータ駆動インバータにおける主要な故障要因であるキャパシタとパワー半導体の劣化診断技術に取り組んでいます。

パワー半導体デバイスの寄生パラメータとノイズ誤動作の解明

Measurement of IGBT  パワエレの集積化に伴い,IGBTやMOSFETなどのパワー半導体デバイスに存在する微小な寄生パラメータ(インダクタンスとキャパシタンス)が回路の小型化の制約となるだけでなく,誤動作の要因となっています。 パワー半導体デバイスの寄生パラメータのモデリングにより,回路の誤動作を未然に防ぎ信頼性向上を実現します。

ディジタルセンシング技術を活用したパワエレ劣化診断技術

Digital sensing   パワー半導体やキャパシタの劣化診断には検出信号の演算処理が必要であり, 実用化には低コストで演算可能なセンシング技術が必要です。 そこで,小型マイコンLeafonyを用いたディジタルセンシング技術の研究開発を行っています。

電力系統用インバータの高信頼化の研究

電力系統用パワーエレクトロニクス  再生可能エネルギーや無効電力補償装置など電力系統にインターフェイスされるインバータに用いられるフィルタコンデンサなどの信頼性向上技術に取り組んでいます。

次世代型コンデンサの回路応用の研究

Ageing Setup  パワエレ回路で使用される電解コンデンサは大容量・低価格という特長の一方で,電極として働く電解液のドライアップが故障要因として指摘されています。 この電解液を固体化しかつ高耐圧を両立した高分子コンデンサの研究開発が進められており,当研究室ではその回路応用時の損失と信頼性評価の研究をしています。 

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